東京メトロと東京都交通局は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、東急新横浜線・相鉄線との直通運転を副都心線・南北線・都営三田線で開始するほか、一部を除く各路線で運転本数や列車種別などを見直します。
有楽町線は昼間1時間あたり2本減便
同日開業する区間は「相鉄・東急直通線」を構成する羽沢横浜国大駅〜日吉駅間の10.0kmで、境界駅の新横浜駅で相模鉄道と東急電鉄の線路が初めて直結します。相鉄線からの列車は東急東横線経由で副都心線、東急目黒線経由で南北線・三田線へと枝分かれし、広域にわたる直通サービスが提供されます。
相鉄線内まで直通する列車の運転本数を地下鉄の路線ごとにカウントすると、終日で副都心線が73本(土休日は60本)、三田線が61本(同62本)ある一方、南北線は38本(同29本)とほかより少なくなっています。これは、ダイヤ編成上、新横浜駅で折り返す列車が南北線方面に多く割り当てられているためです。日中時間帯には南北線内と相鉄線内を直接結ぶ列車は設定されず、新横浜駅などで乗り換えが必要となります。
また、副都心線で平日の通勤時間帯に運転している通勤急行は、停車駅に明治神宮前駅が新たに加わります。同駅は2010年3月から土休日ダイヤのみ急行列車の停車駅となっており、2016年3月からは平日の急行も停車しています。今回のダイヤ改正により、土休日の有料座席指定列車「S-TRAIN」を除くすべての副都心線列車が明治神宮前駅に停車するようになります。
今回のダイヤ改正で利用状況に合わせて運転本数が見直されるのは、東西線・千代田線・有楽町線・半蔵門線ならびに副都心線です。朝および夕夜時間帯の減便が中心となっていますが、有楽町線では日中時間帯も見直し対象となり、1時間あたりの運転本数は現行の12本から10本へと減少します(相鉄線直通列車の運転本数、ダイヤ改正前後の都営新宿線急行列車の本数・運転時間帯比較など詳細は下の図表を参照)。
都営新宿線は急行減るも“新展開”
都営新宿線では、線内主要駅にのみ停車する急行列車が抜本的に見直されます。現行ダイヤの急行のうち、日中時間帯(平日10〜15時台、土休日11〜15時台)についてはすべて各駅停車に置き換わり、急行が通過する駅での乗車機会が増やされます。
土休日の朝時間帯では、京王線多摩動物公園駅まで直通運転する急行の本数が4本から1本へと減ります。一方で、平日の朝時間帯に新宿駅方面へ向かう3本の各駅停車と、夕時間帯の新宿駅方面からの各駅停車1本が急行に変更となり、通勤時間帯の速達性向上が図られます。
かつて日中時間帯に1時間あたり3本が両方向に設定されていた新宿線の急行ですが、2022年3月のダイヤ改正で約48分間隔へと広がり、運転時間帯も短縮されて現在の本数となっています。さらに、今回の見直しの結果、終日の急行の運転本数は平日が現行の8本から4本へ、土休日は15本から8本へとほぼ半減します。
新宿線急行は2年連続で立ち位置が大きく変化し、本数面では風前の灯火となっています。この状況においても急行の存在価値を探るべく、ラッシュ時間帯への設定という挑戦により、まだ諦めない姿勢を示しているのは興味深いポイントです。