旧型客車の夜行列車 機関車交換に“機回し”も 大井川鐵道が臨時急行「南アルプス51号」

大井川鐵道は、保有する旧型客車や電気機関車を活用し、長距離夜行列車が全盛期だった頃のノスタルジックな雰囲気を再現する臨時急行列車「南アルプス51号」を運行します。

明け方の家山駅に停車中の大井川鐵道E10形電気機関車けん引列車(画像提供:日本旅行)
明け方の家山駅に停車中の大井川鐵道E10形電気機関車けん引列車(画像提供:日本旅行)

新金谷〜家山間を見どころ満載で3往復

日本旅行(本社:東京都中央区)の大阪法人営業統括部が企画する旅行ツアーで、2023年5月13日(土)夜から翌14日(日)朝にかけて大井川本線を団体専用列車として運行します。2022年4月に初めて実施した企画で、「昭和の夜行列車を体験できる」と好評だったことから装いを新たにして再登場します。

前回は新金谷駅〜千頭駅間の往復行程でしたが、2022年9月の台風被害により家山駅以北が不通となっていることから、今回は新金谷駅〜家山駅間に運転区間を短縮します。その代わりに同区間を夜通しで3往復運行し、2種類の機関車を途中で交換するなど、見どころの多い内容となっています。

3往復のうち最初と最後の2往復をけん引するのは、1949年(昭和24年)に大井川鐵道のために製造された古参のE10形電気機関車です。途中の1往復は、西武鉄道から譲渡されたE31形電気機関車がけん引します。新金谷駅では、かつて長距離客車列車でよく見られた深夜の「機関車交換」が合わせて2回実施されます。

また、両機関車とも単機けん引を行うため、折り返しの家山駅では機関車を逆向き先頭に連結し直す「機回し入替」を計3回見ることができます(臨時急行「南アルプス51号」の行程表、旅行代金、電気機関車や客車の写真イメージなど詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】臨時急行「南アルプス51号」の行程表、旅行代金、電気機関車や客車の写真イメージ

かつての特急客車「スハフ43」も連結

SL列車を定期運行している大井川鐵道は、いまや存在そのものが貴重となった旧型客車を多数保有していることでも知られています。今回はレトロな内外装のオハ35形のほか、かつて特急列車に使用されたスハフ43形も連結され、従来とは違った客車列車の空気感を楽しめます。

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新金谷駅と家山駅での折り返し時には参加者専用の撮影会が開催されるほか、ヘッドマークの展示や途中駅での長時間停車なども行われます。事前予約で用意される夜食弁当には、列車旅のお供として定番だった「もみ出し茶」が付いてきます。また、参加者特典としてオリジナル硬券記念乗車票のプレゼントもあります。

旅行代金はお一人1席利用プランが15,000円で、2席占有やスハフ43形指定のプランも選べます。ツアーは日本旅行大阪法人営業統括部の「鉄道・バス企画デスク」予約サイトで4月4日(火)15:00から発売開始します。