大井川鐵道は、大井川本線の金谷駅〜家山駅間を運行する定期普通列車の一部について、機関車がけん引する懐かしいスタイルの「客車普通列車」として期間限定で運転します。
昭和の日本では日常の鉄道風景
国鉄時代からJRの発足直後までは日本各地で日常的に走行していた客車列車ですが、輸送体系を効率化するため次々と電車や気動車に置き換えられました。現在は山岳区間やトロッコ列車、SLがけん引する観光列車などを除き、日常的に乗車できる客車列車は国内から消滅しています。
今回、大井川鐵道が実施するのは、かつて鉄道ファンから「普通客レ」として親しまれた普通客車列車の再現企画です。通常は電車で運行している普通列車が客車列車により代走され、過ぎ去った「昭和の日常」が令和によみがえります。
実施日は平日のみで、2023年6月20日(火)〜22日(木)・27日(火)〜30日(金)の計7日間です。各日とも最初の客車列車は、新金谷駅16:10発の家山駅行第11列車(金谷駅〜新金谷駅間は電車で運転)です。列車は家山駅と金谷駅でそれぞれ3回折り返し、金谷駅20:40発の第17列車として新金谷駅に20:44に到着して運用終了となります(新金谷駅以遠は電車で運転)。
旧国鉄で活躍した昭和10年〜30年代製のレトロな旧型客車が2両使用され、前後には電気機関車が連結されます。通常の普通列車と同様に乗車券のみで利用できる全車自由席の列車ですが、混雑時はデッキや通路での立ち席利用となる場合もあります。車内販売員が乗務するので、乗車した後でも飲み物やお弁当、お酒などの調達が可能です。
(大井川鐵道が運転する客車普通列車の時刻表、編成、旧型客車の車内イメージなど詳細は下の図表を参照)
仕事終わりにサクッと「呑み鉄」体験
大井川鐵道はおすすめの楽しみ方として、全列車を通しての「3往復乗りっぱなし」プランを提案しています。およそ4時間30分の間、ゆっくり暮れていく景色を眺めながら、長距離鈍行列車さながらの気分を味わえます。7本の列車にすべて乗車した場合の大人普通運賃は4,990円かかるため、企画乗車券「大井川本線フリーきっぷ」(3,500円)を利用した方がおトクになります。
なお、家山駅と金谷駅での折り返し作業において客室灯を消灯する際、安全確保のため、一度ホームに降りるよう案内する場合もあるとのことです。
近隣にお住まいの方なら、仕事終わりでも金谷駅19:10発の列車から客車普通列車に1往復乗車することができます。「呑み鉄」派はボックスシートに備え付けの栓抜きで瓶入りビールを開け、昔懐かしい汽車旅の雰囲気にどっぷり浸かってみましょう。
大井川鐵道といえば、週末を中心に運転する旧型客車を使用した観光列車「SL急行」「EL急行」が有名です。一方、今回の客車普通列車なら予約が不要で、急行が停車しない小さな駅でも乗り降りできるため、ふらっと途中下車して無人駅を巡ってみるもの楽しそうです。無人駅から乗車した場合、車内改札で巡回する車掌から購入する車内補充券を収集するのも一興です。
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