“想像超え”体験を茨城で 大型観光キャンペーン JRと共同で 強みは「アウトドア」「食」

茨城県や市町村、観光協会などが組織するいばらき観光キャンペーン推進協議会は、JRグループと共同で「茨城デスティネーションキャンペーン(DC)」を2023年10月〜12月の3か月間実施します。

「茨城デスティネーションキャンペーン」のキービジュアル(画像提供:JRグループ)
「茨城デスティネーションキャンペーン」のキービジュアル(画像提供:JRグループ)

宿泊20%割引「体験王国いばらき割」スタート

DCは、対象地域の自治体や観光事業者とJRグループ6社が一体となって展開する、国内最大規模の観光キャンペーンです。7月〜9月に実施した兵庫県からバトンを受け継ぐ茨城県は、秋の3か月間で観光客2000万人の来県、1000億円の観光による県内消費という目標を立てています。

旅の目的地としての知名度を高めたい県は、強みを「アウトドア」と「食」に定めました。手軽にサイクリングを楽しめる全長約180kmの「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を有し、キャンプサイトの施設数は日本一です。首都圏ながら全国3位の農業産出額、全国2位の海面漁獲高の実力を持つ食の宝庫でもあり、郷土料理をはじめ、関東最多を誇る酒蔵の地酒やクラフトビールなども人気です。

加えて、コロナ禍による旅行者意識の変化を捉え、体験・探究型の「新たな旅のスタイル」を軸に据えているのも特徴的です。「体験王国いばらき」のキャッチコピーを掲げ、全国のJR駅などでポスターやガイドブックによる宣伝展開を行います。

県や地域は、眠っている観光資源を掘り起こし、組み合わせることで、インパクトのある“想像超え”コンテンツを生み出すことに注力します。国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)のコキアや太平洋を一望するヘリコプター縦断ツアーのほか、個性派テーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」(筑西市)の秘蔵展示公開、特撮ロケの聖地での爆破体験など、非日常体験を味わえる企画が多数用意されます。

宿泊者を対象とした県の新たな旅行支援事業「体験王国いばらき割」も10月1日(日)から開始しました。1泊につき宿泊代金の20%、最大3000円が割り引かれ、地域応援クーポン2,000円分(休日は1,000円分)も付与されます。内容は昨年の全国旅行支援「いば旅あんしん割」と同じですが、対象宿泊施設への直接予約のみが対象で、旅行会社経由の予約には適用されないなど、条件が一部異なります。

(茨城デスティネーションキャンペーンの主な企画、旅行支援事業「体験王国いばらき割」など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】茨城デスティネーションキャンペーン期間中の主な企画、旅行支援「体験王国いばらき割」

「常磐線サイクルトレイン」で都内から霞ヶ浦ライドへ

JR東日本もDC開催に合わせ、「アウトドア」や「食」など、茨城の魅力を楽しめるさまざな企画を展開します。

DC期間中の一部を除く土休日は、常磐線の上野駅〜土浦駅間を運行する一部の普通列車で、自転車を袋に収納せずにそのまま列車内に持ち込める「常磐線サイクルトレイン」が特別に実施されます。土浦駅に着いたらすぐ、つくば霞ヶ浦りんりんロードでのライドを朝から夕方まで楽しめるスケジュールで、都内から気軽に参加できるのもポイントです。

水郡線では、2022年4月から土休日に「水郡線サイクルトレイン」が通年で実施されていますが、DC開催に合わせてパワーアップします。10月1日(日)からは、対象エリアの上菅谷間〜磐城石川駅・常陸太田駅間にあるすべての駅で乗降できるようになります。駅係員不在の時間帯や無人駅でも乗降可能とすることで、対象列車は始発から最終列車までに拡大します。

食の魅力を楽しめるイベント列車として、茨城各地のご当地グルメを車内で体験できる「いばらきまんぷくトレイン」が10月と12月の計2回、上野駅〜高萩駅間で運行します。また、水戸線と水郡線では、県内の地酒を試飲できる「日本酒列車」が運行される予定です。

常磐線特急「ひたち」「ときわ」で運行中のE657系電車の一部編成に、往年の特急「フレッシュひたち」のリバイバルカラーが施されます。DC開始までに「緑・紅・黄・青・橙」の5色が揃い、車両側面には茨城DCのロゴをあしらって機運を盛り上げます。また、水郡線を走行するキハE130系気動車のうち1両は、柿や紅葉をイメージした「オレンジ パーシモン トレイン」へと模様替えします。

県内鉄道の周遊には、DCを記念して発売される、土休日限定の1日乗り放題のおトクなきっぷ「ときわ路パス」が便利です。県内JR線のほか関東鉄道、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道、真岡鐵道の各線でも利用可能で、フリーエリア内の駅ナカコンビニ「NewDays」でのお買いものが5%割引となる特典も付いています。おねだんは大人2,180円、小児550円です。

旅先では、バスなどの乗車券や観光スポットの入場券などをスマートフォンで事前購入できる地域・観光型MaaS「ひたちのくに紀行」が利用できます。昨年のプレDCでは県央エリアのみでの実施でしたが、今回は県北・県西・県南にもエリアが拡大します。新たに9種類の交通電子チケット、15施設の観光電子チケットの取り扱いを開始するなど、内容も充実するとのことです。

【偕楽園本園】広々とした園内には約100品種3000本の梅が植えられ、毎年2月中旬~3月下旬に行われる梅まつりには、梅の木が咲き誇る園内を存分に楽しめます。(提供:アソビュー!)