大阪・名古屋〜北陸「敦賀で新幹線乗換」必須に ダイヤ改正で所要時間どれくらい短縮?

JR西日本は北陸新幹線が延伸開業する2024年3月16日(土)にダイヤ改正を実施し、近畿・中京方面と北陸エリアを結ぶ在来線特急列車と新幹線との接続駅を金沢駅から敦賀駅に変更します。

特急「しらさぎ」などで運転しているJR西日本681系電車(KUZUHA/写真AC)
特急「しらさぎ」などで運転しているJR西日本681系電車(KUZUHA/写真AC)

敦賀駅での在来線〜新幹線は上下移動で乗り換え

北陸新幹線の金沢駅〜敦賀駅間開業により北陸本線の同区間は並行在来線となり、運営主体がJR西日本から第三セクター「IRいしかわ鉄道」「ハピラインふくい」へと移管されます。大阪駅からの特急「サンダーバード」、名古屋駅・米原駅からの特急「しらさぎ」は三セク区間になる敦賀駅以北の運転を終了し、敦賀駅で新幹線との乗り換えにより北陸エリア各方面とを結ぶ輸送体系に変わります。

敦賀駅では「サンダーバード」「しらさぎ」が新たなホームに発着し、上下移動により新幹線とスムーズに乗り換えできるよう設計されています。標準的な乗り換え時間は8分で、各特急と接続する新幹線「つるぎ」が金沢駅まで1日25往復、うち18往復が富山駅まで運転します。「つるぎ」は各駅に停車するパターンを基本としながらも、一部は通過駅のある速達タイプとして運転します。

現在は大阪駅〜福井駅間の移動に乗り換えの必要はなく、「サンダーバード」の最速列車が1時間47分で結んでいます。新幹線開業後は敦賀駅での「つるぎ」への乗換時間を含めて1時間44分となり、3分とわずかながらの短縮です。これが大阪駅〜金沢駅間になると22分の所要時間短縮となり、乗り換えの手間を打ち消すレベルの速達効果が現れてきます。

現状も金沢駅での乗り換えが必要な大阪駅〜富山駅間利用の場合、乗換地点が敦賀駅にシフトすることで新幹線区間の割合が増えます。最速所要時間は3時間4分からダイヤ改正後は2時間35分になり、29分と大きく短縮します。新幹線による速達効果は利用区間によって実感度合いが大きく異なりそうです。

なお、改正後の「サンダーバード」「しらさぎ」は着席ニーズの高まりに合わせて全車指定席として運転し、自由席車両の設定がなくなります。また、利用増加が見込まれる新幹線「つるぎ」は現在行っている一部号車の締切扱いを終了し、指定席の設定号車を増やすとともにグランクラスの発売を開始します。

(特急「サンダーバード」「しらさぎ」と北陸新幹線の輸送体系、敦賀駅の構内図など詳細は下の図表を参照)

【時刻表で解説】特急「サンダーバード」「しらさぎ」と北陸新幹線の輸送体系、敦賀駅の構内図

早朝・深夜の「しらさぎ」廃止で新たに「臨時快速」

北陸エリア在来線特急列車の動向をより詳しく見ると、敦賀駅・福井駅〜金沢駅間を運転している「ダイナスター」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」はいずれも廃止されます。また、米原駅で東海道新幹線と接続する早朝の「しらさぎ52号」と深夜の「しらさぎ65号」は、輸送体系変更により北陸新幹線の接続列車が設定できない時間帯となることから運転が取り止められます。

削減される1往復の「しらさぎ」とほぼ同じ時間帯には、敦賀駅〜米原駅間の臨時快速列車が新たに設定されます。いずれも途中駅には止まらず米原駅で東海道新幹線と接続し、敦賀駅ではハピラインふくいの快速列車とも接続することで福井方面の早朝・深夜アクセスは確保されます。

七尾線では金沢駅〜七尾駅・和倉温泉駅間に特急「能登かがり火」が1日5往復設定されるほか、ゴールデンウィークやお盆など利用が見込まれる日には1往復の臨時列車が追加されます。新幹線との接続時間短縮により七尾・和倉方面へのアクセス向上が図られるほか、和倉温泉でのチェックアウト後や能登の観光後に利用しやすいよう上り列車の運転時間帯も見直されます。

小浜線では、敦賀駅〜小浜駅間で始発・最終となる普通列車の時刻が見直され、首都圏へ一番早く出発する「かがやき」と首都圏からの「かがやき」最終列車にそれぞれ接続できるようになります。また、小浜線の土休日ダイヤと越美北線の一部列車も見直され、首都圏から一番早く到着する「かがやき」から乗り継げるようにすることで沿線観光に利用しやすいダイヤとなります。

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