遠州鉄道は2022年2月1日(火)に遠鉄電車の運賃改定を実施し、初乗りから8.0kmまでの区間を値上げします。
鉄道運賃は事業者が定める「上限運賃」を国土交通省が認可する「上限許可制」がとられており、各事業者は認可された上限運賃の範囲内で「実施運賃」を届出により設定することができます。
遠州鉄道は国交省中部運輸局に対し、2021年9月29日付で上限運賃の変更を申請提出していました。12月17日(金)付でこれが認可されたことを踏まえ、12月20日(月)付で実施運賃の届出を行いました。なお、実施運賃は上限運賃と同額の設定で届出されており、改定率は定期外・定期合わせて3.9%です。
普通旅客運賃は2022年2月1日(火)乗車分以降が改定され、初乗り運賃(営業キロ4.0kmまで)が現行の120円から140円へと20円値上げされます。また、現行の160円〜240円区間(4.1〜8.0km)については一律10円が加算され、170円〜250円となります。なお、現行280円以上(8.1km〜)の区間は運賃改定の対象外とされています(改定前後の普通運賃比較は下表を参照)。
通勤・通学定期旅客運賃も同様、営業キロ8.0kmまでの区間が値上げ対象となっており、8.1km以上の区間の運賃は据え置きとなります。新運賃が適用されるのは2022年2月1日(火)購入分からです。2022年2月1日(火)以降に有効開始日となる定期券を1月31日(月)までに購入する場合は現行運賃が適用されます。
団体乗車券も2022年2月1日(火)購入分以降が改定となります。そのほか、「遠鉄ぶらりきっぷ」「あかでん1日フリーきっぷ」「HAMANAKO RAIL PASS」「天竜浜名湖鉄道・遠州鉄道鉄道線共通フリーきっぷ」「ふじのくに家康公きっぷ」の発売金額に変更はありません。
遠州鉄道が鉄道旅客運賃を改定するのは、消費税率変更に伴うものを除いては1983年(昭和58年)以来39年ぶりとなります。その理由として今後、高架橋の耐震補強工事、駅のバリアフリー化、車両更新など多額のプロジェクトを実行していく必要があることを挙げています。加えて昨今では、新型コロナウイルス感染症によりテレワークやリモート会議が定着することで、利用客数が急速に減少しているとのことです。
安全確保とさらなる利便性の向上、鉄道事業の経営健全化を図るための運賃改定となることについて、利用者に理解を求めています。