朝夕「通勤快速」「快速」廃止しすべて各駅停車に 京葉線ダイヤ改正 沿線自治体は反発

JR東日本は2024年3月16日(土)にダイヤ改正を実施し、京葉線で日中時間帯を除くすべての快速列車を各駅停車に変更するなど、利用状況に見合った輸送体系へと見直します。

京葉線内だけでなく外房線・内房線直通列車として運行しているJR東日本E233系電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)
京葉線内だけでなく外房線・内房線直通列車として運行しているJR東日本E233系電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

外房・内房線からの遠距離通勤客に打撃

京葉線の東京駅〜蘇我駅間では現在、上下合わせて1日あたり平日59本、土休日89本の快速列車が運転されていますが、ダイヤ改正後は平日24本、土休日47本へとほぼ半減します。快速として通過運転するのは10時〜15時台の日中のみとなり、朝・夕夜間は外房線・内房線との直通列車を含め、すべての通勤快速・快速の設定が廃止され、各駅停車のみの運転になります。

これによるメリットしてJR東日本は、幕張豊砂駅や市川塩浜駅など快速が通過する駅での乗車機会が1日あたり30回以上増えることを謳っています。その反面、通勤時間帯の所要時間増加は避けられません。特に、京葉線内の停車駅が八丁堀駅・新木場駅のみと少ない速達タイプの通勤快速も各駅停車化され、外房・東金線、内房線沿線から遠距離通勤している方への影響が大きく出そうです。

例えば外房線からの朝の上り方面では現在、勝浦駅を6:25に発車する京葉線直通の通勤快速(誉田駅で成東駅始発の列車と連結、東京駅8:26着)が設定されています。改正後は始発駅が上総一ノ宮駅(6:53発)に短縮され、京葉線内だけでなく外房線内もすべての駅に停まるようになります。東京駅着は8:38に繰り下がり、上総一ノ宮駅からの所要時間は1時間45分と、現行より20分程度増加します。

(JR東日本千葉・房総エリアのダイヤ改正内容、京葉線の快速列車停車駅と運転本数など詳細は下の図表を参照)

【路線図で解説】JR東日本千葉・房総エリアのダイヤ改正内容、京葉線の快速列車停車駅と運転本数

熊谷千葉県知事「容認できぬ」 千葉市長も反対

千葉県の熊谷俊人知事は2023年12月21日(木)の定例記者会見で、「沿線の住民や事業活動に大きなマイナスがあり容認できない。JRに対して強いかたちで申し入れる」と述べました。千葉市の神谷俊一市長も同日の会見で「市の価値を揺るがす極端な対応。遠距離利用する方への配慮がまったくない」と明確に反対し、市民から厳しい批判や戸惑いの声が多く届いていると明らかにしました。

鉄道ダイヤの改正内容に対して沿線の自治体が反発する異例の事態となっており、JR東日本千葉支社は沿線自治体へ直接説明する場を設けるよう調整を急ぎ、理解を深めてもらいながら計画どおり実施する考えです。

京葉線ではそのほか、朝通勤時間帯で運転本数がピークとなる時間帯に上り列車が1本減便されるほか、東京駅発の夜間にも下り列車の本数が1本減少します。西船橋駅方面の運転本数に変更はないとのことです。

総武快速線では朝通勤時、千葉駅を6時台に発車する東京駅行の上り列車が1本増発されるほか、一部列車の編成が11両から15両に増強されます。夜間は利用が少なくなっており、東京駅を20時台に発車する下り列車1本の運転が取り止められます。

外房線では朝通勤時に下り列車、夜間に上り列車がそれぞれ新設されるほか、総武本線の千葉駅〜四街道駅間でも通勤時に増発が行われます。一方で、総武本線(四街道駅〜佐倉駅間)、外房線(上総一ノ宮駅〜勝浦駅間)、内房線(君津駅〜上総湊駅間)では夕夜間の列車が減便されます。

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