夏の北東北に12系客車急行 最後の夏「SL銀河」 岩手ビール祭り会場をつなぐ臨時列車も

青森・岩手・秋田の各県とJR東日本は、2022年7月1日(金)〜9月30日(金)に北東北三県大型観光キャンペーン「ドキドキ、キタキタ、北東北」を開催します。

「SL銀河」として運行するJR東日本のC58形239号機蒸気機関車とキハ141系気動車(実生の桃/写真AC)
「SL銀河」として運行するJR東日本のC58形239号機蒸気機関車とキハ141系気動車(実生の桃/写真AC)

3年ぶりの夏祭りに期待

2021年4月から半年間開催された「東北デスティネーションキャンペーン」の経験を活かし、今回は北東北三県を「世界遺産」「夏祭り」「自然・絶景」「歴史・文化」「酒・食」の5つのテーマでつなぎます。7月に世界文化遺産登録1周年を迎える「北海道・北東北の縄文遺跡群」への来訪を促すほか、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越え3年ぶりの開催が期待される各地の夏祭りを盛り上げます。

7月2日(土)・3日(日)には、電気機関車(EL)が12系客車を牽引する懐かしいスタイルの臨時急行「津軽」が奥羽本線の秋田駅〜青森駅間を往復し、キャンペーンのオープニングを飾ります。また、旅行商品を購入した方の団体臨時列車として、E653系使用の「国鉄色特急列車はつかり号」が盛岡駅〜青森駅間で運転されます(7月2日(土)は盛岡駅発、3日(日)は青森駅発)。7月2日(土)と9月25日(日)運転の快速「東北本線リアス号」は、三陸鉄道の車両が東北本線の盛岡駅〜一ノ関駅間を走行する珍しい臨時列車です。

岩手県で開催予定の2つのビールイベント「地ビールフェス一関」「遠野ホップ収穫祭」に合わせ、8月20日(土)・21日(日)は盛岡駅・遠野駅・一ノ関駅を結ぶ臨時快速列車が運転されます。また、秋田県男鹿半島のあじさい開花に合わせた快速「風っこ男鹿あじさい号」、青森県田舎館村の田んぼアートへの来場に便利な快速「田んぼアート号」など、多くの来訪が見込まれる各地のイベントに合わせて臨時列車が設定されます(主な臨時列車の時刻表と運転日カレンダーは下表を参照)。

【時刻表で解説】JR東日本 北東北三県大型観光キャンペーンに合わせ臨時列車を運転

見納め迫る「SL銀河」

五能線では「リゾートしらかみ」が毎日運転され、車窓からは雄大な白神山地や夕日の沈む日本海などの美しい風景を眺めることができます(一部の日は「五能線クルージングトレイン」で運転する列車があります)。釜石線の「SL銀河」は、旅客車キハ141系の老朽化に伴い2023年春をもって運行を終了することが決まっており、今回は最後の夏の運行となります。

そのほか、大船渡線の「ポケモントレイン気仙沼号」、山田線の「さんりくトレイン宮古」、青い森鉄道線・大湊線の「リゾートあすなろ下北号」など、北東北でおなじみの「のってたのしい列車」も多数運転されます。車内にライブキッチンとダイニングを設置し、本格的なグルメやお酒が楽しめる「TOHOKU EMOTION」は八戸線の八戸駅〜久慈駅間で運行します(旅行商品専用)。

JR東日本ではそのほか、世界遺産の「三内丸山遺跡」「御所野遺跡」や津軽半島などを巡る定期観光バスを期間限定で運行します。また、MaaS(Mobility as a Service)サイト「TOHOKU MaaS」は各種鉄道フリーパスの購入のほか、オンデマンド交通「よぶのる一関」「よぶのる角館」の予約・決済にも対応し、スマートフォン一つで東北三県を便利に回遊することができます。