不通の大井川鐵道 井川線が8日一部運転再開 「トーマス号」含む大井川本線は12月以降

大井川鐵道は、台風15号の被害により全線にわたり運転を見合わせている大井川本線および井川線(南アルプスあぷとライン)について、今後の復旧の見通しを発表しました。

紅葉が色づく井川線を走行する大井川鐵道のアプト式列車(はしぞうはしぞう/写真AC)
紅葉が色づく井川線を走行する大井川鐵道のアプト式列車(はしぞうはしぞう/写真AC)

大井川本線は家山駅以南の復旧を優先

2022年9月23日(金・祝)深夜から24日(土)にかけて静岡県沖に最も接近した台風15号の影響により、大井川鐵道では大規模な土砂崩落、倒木や土砂流入、道床流出などの被害が複数箇所で発生しました。現在も全線で運転を見合わせていますが、不通区間の一部については復旧のめどが立ったとしています。

最初に復旧するのは井川線の千頭駅〜接岨峡温泉駅間で、10月8日(土)からの運転再開を目指して復旧工事が進んでいます。また、接岨峡温泉駅〜井川駅間についても随時、復旧を進めていくとのことです。なお、路線バスの寸又峡線、閑蔵線については平常通り運転されています。

大井川本線の復旧にはさらに期間を要する見込みで、まず、金谷駅〜家山駅間について12月上旬の復旧を目指して工事を行っていくとしています。家山駅〜千頭駅間については復旧見込みは立っておらず、「関係機関と緊密な協議を重ねながら計画を策定してまいります」とコメントしています(運休区間の路線図、代行バス・タクシーの停車駅など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】大井川鐵道 台風15号の影響により運転見合わせ

冬のトーマス号は運転区間縮小か

大井川本線の利用者には当分の間、本数を減らした暫定ダイヤによるバス代行輸送が続けられます。代行バスは大型バスによる「金谷駅〜千頭駅系統」と、ジャンボタクシーによる「金谷駅〜門出駅系統」の2系統で運転しています。また、代行バスが停まらない福用駅、大和田駅、抜里駅の利用者向けに、各駅と家山駅を結ぶシャトルタクシーが設定され、家山駅では夜間を除いて代行バスに連絡します。なお、神尾駅については付近の国道473号が路肩決壊により通行止めとなっているため、代行バス・タクシーとも経由しません。

台風被害は観光列車の運行にも影響を及ぼしています。土日祝日を中心に大井川本線の新金谷駅〜千頭駅間で運転している「EL・SL急行かわね路号」は、当分の間運休となります。金谷駅〜家山駅間が部分復旧した後の運転計画については、決まり次第告知するとのことです。また、大井川鐵道やグループ会社が企画した旅行商品についても一部、ツアーの催行中止や内容変更等が発生しています。

併せて、12月16日(金)〜2023年1月9日(月・祝)に予定されている、「きかんしゃトーマス号」を中心としたイベント「DAY OUT WITH THOMAS(TM) 2022 冬の特別運転」も通常通りの開催ができない見通しです。トーマス号の運転区間やダイヤなどに変更が生じる予定とのことで、詳細については公式サイトを確認するよう呼びかけられています。