11日開始「全国旅行支援」割引条件を詳しく解説 “交通付き+平日宿泊”最大11000円還元

観光庁が支援する、全国を対象として旅行・宿泊代金を割り引く観光産業の支援策「全国旅行支援」が2022年10月11日(火)から開始します。

「全国旅行支援」では新幹線など交通機関付きの宿泊プランが特におトクに利用可能(たくあんとくもり/写真AC)
「全国旅行支援」では新幹線など交通機関付きの宿泊プランが特におトクに利用可能(たくあんとくもり/写真AC)

東京都のみ20日開始

新型コロナウイルス感染症で落ち込んだ観光需要に対する政府の喚起策として、2020年7月22日から全国で「Go To トラベル事業」が開始しましたが、その後の全国的な感染拡大を受けて同年12月28日から全国で運用が停止しています。

Go To再開までの間の措置として、感染状況が落ち着いている都道府県を対象に、同一県内の旅行に対して支援を行う「地域観光事業支援(県民割)」の枠組みが定められました。国の支援額は商品代金の50%を上限に1人1泊あたり5,000円とされ、地域限定で使用できるクーポン券に対する1人1泊上限2,000円の追加支援も定められています。準備の整った都道府県から2021年4月1日以降、順次開始され、数回の期限延長を経て現在も47都道府県それぞれで割引事業が継続されています。

この県民割の利用対象者を全国に拡大する施策が2022年6月17日に観光庁から発表され、7月前半からの開始予定が示されていましたが、いわゆる「第7派」の到来で感染状況が悪化したため実施が見送られていました。第7派の収束傾向を受けて観光庁は9月26日(月)、全国旅行支援を3か月遅れで実施することを決定し、10月11日(火)から開始すると発表しました。現在、各都道府県や宿泊施設、旅行会社が受付を開始できるよう準備を進めていますが、東京都を目的地とする旅行への適用については開始日が10月20日(木)となります(全国旅行支援の利用条件、料金シミュレーションなど詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】47都道府県で「全国旅行支援」開始

割引率、割引上限額、クーポン券は?

今回、国が定めた全国旅行支援の割引率は40%で、割引上限額は1人1泊あたり5,000円です。ただし、航空機や新幹線、バス、ハイヤーなどの交通機関と宿泊がセットになった「交通付き旅行商品」については、割引上限が1人1泊8,000円まで引き上げられます。

また、旅行中に各都道府県内の観光施設や飲食店、お土産店などで使用できる地域限定クーポンも用意され、1人1泊あたり平日は3,000円、休日は1,000円の交付が受けられます。「おおさかPAY」(大阪府)、「ぎふ旅コイン」(岐阜県)など、各都道府県が独自に展開している電子または紙のクーポンで、Go To トラベルの地域共通クーポンとは利用方法や使える店舗などが異なります。なお、宿泊プランの場合の「休日」とは、宿泊日とその翌日がともに土日祝日にあたる場合を指し、それ以外は「平日」扱いとなります。また、愛知県の「いいじゃんクーポン」は日帰り旅行プランに対しては配布されないなど、都道府県によって詳細の取り扱いが異なる点には注意が必要です。

交通付きプラン(割引上限額8,000円)や平日利用(クーポン券3,000円)を組み合わせると、1人1泊あたりの最大補助額は11,000円となります。県民割(割引率50%、割引上限額5,000円、クーポン券最大2,000円)と比べると割引率は下がりますが、内容によっては最大で4,000円おトクに利用でき、実質還元率は50%以上となる可能性もあります。また、子どもの割引条件は大人と同一で、クーポン券も大人と同様に交付されるため、子ども連れでの旅行費用も大きく節約できます。

割引支援を受けられるのは、参加宿泊施設への直接予約や、参加旅行会社および旅行予約サイト(OTA)で予約したプランです。全国旅行支援の開始日と同日の10月11日(火)(東京都は10月20日(木))以降に受け付けた予約が支援の対象となります。支援の終了日は12月20日(火)利用分(宿泊の場合は12月21日(水)チェックアウト分まで)ですが、各都道府県の補助金上限に達した場合は期間中でも受付終了となります。一部の旅行会社やOTAは、以前に済ませた予約に対しても、条件を満たせば所定の手続きを行うことで支援の適用対象とする取り扱いを行います。なお、個人で手配した交通機関単体のきっぷや航空券、宿泊施設内のサービスを利用しない日帰りプランなどは対象外となります。

この制度を活用した旅行中は基本的な感染対策が求められるほか、宿泊施設等では新型コロナワクチンの接種歴(3回以上)または、陰性とわかる検査結果の提示が必要となります。