東北・北海道新幹線「はやぶさ」全列車がオフィスに JR東日本 車内リモートワーク実験

JR東日本は、新幹線車内でリモートワークに適した環境を提供する「新幹線オフィス」実証実験の第2弾を行います。

東北・北海道新幹線E5系の普通車座席(マイペイ/写真AC)
東北・北海道新幹線E5系の普通車座席(マイペイ/写真AC)

新幹線移動中でも快適に働ける空間を用意する目的で、編成のうち1両が「リモートワーク推奨車両」となり、通常は控えるよう案内されている座席での携帯電話などによる通話やウェブ会議が可能となります。実施期間は2021年6月14日(月)〜7月16日(金)(ただし、土休日を除く)です。

今回はJR北海道との連携により、東北・北海道新幹線「はやぶさ」のすべての列車(1日あたり上下計60本)が対象となります。これらの列車では1号車が「リモートワーク推奨車両」となり、始発駅から終着駅までの全区間で新幹線オフィスが利用できます。2021年2月1日〜26日に実施した第1弾の対象列車数(1日あたり最大上下計10本、対象外区間あり)と比較すると、利用できる機会が大幅に増加します。

新幹線オフィスの利用に追加料金は必要ありません。乗車券と新幹線特急券(「新幹線eチケット」を含む)などの必要な乗車券類を購入し、対象列車に乗車することで利用できます(「はやぶさ」は全車指定席)。「リモートワーク推奨車両」の1号車は席予約を受け付けていないため、隣接する2号車の座席指定券を購入し、「リモートワーク推奨車両」に移動して利用するのがおすすめの方法となります。

「リモートワーク推奨車両」では仕事に集中できるよう、A・C・E席の利用が推奨されています(座席表は下図を参照)。満席の場合は利用できません。なお、専用案内スタッフが添乗する一部の列車・区間では、最後列のD・E席が利用できません。また、列車によっては一部の座席に電源がない場合があります。

実証実験では、快適で効率的なリモートワークを体験できる各種ツールの貸し出しが行われます。新幹線オフィス対象列車のうち上下計10本の限定サービスとなっており(時刻表は下表を参照)、一部の区間において「リモートワーク推奨車両」に添乗する案内スタッフに申し出ることでツールを利用できます。

協賛企業により提供される貸し出しツールは、auのLTE回線使用で快適に通信できる「Wi-Fiルーター」(KDDI)、走行音などを低減し視界を狭めるウェアラブル端末「WEAR SPACE」(パナソニック システムソリューションズ ジャパン)、クリアな音声コミュニケーションが図れる「骨伝導ヘッドセット」(同)、PCのサブモニターになるスマートグラス「MOVERIO」(エプソン販売)および、周囲への会話漏れを軽減させるスピーチプライバシーシステム「VSP-2」(ヤマハ)です。また、機能性表示食品の緑茶飲料「抹茶入りお〜いお茶」(伊藤園)の試供品も用意されます。いずれも数に限りがあり、搭載していない列車もあります。

なお、案内スタッフが添乗する列車で行われるアンケートに協力すると、JR東日本が運営するシェアオフィス「STATION BOOTH」の無料利用チケットがもらえます。

【時刻表で解説】JR東日本 「新幹線オフィス」実証実験第2弾

今回の実証実験では初めての試みとして、新幹線を降りた後の移動を想定し、レンタカー車内で使えるビジネスキット「お仕事 de レンタカー」の提供も行われます。Wi-Fi・充電器・車載用テーブル・サンシェード・室内灯がセットになっており、レンタカー車内での資料確認や報告書作成、パソコン・スマートフォンの充電などが行えるキットです。JR東日本レンタリースの対象営業所において、新幹線オフィス利用者限定で貸し出し無料となります(台数限定、レンタカー代は別途料金)。

あわせて、新幹線オフィスのさらなる快適性向上を目指すため、協賛企業により座席でのデスク環境や、パーソナル空間づくりの検討も行われます。

JR東日本は、新幹線車内でのリモートワークの課題やニーズを調査し、得られた結果を新たな移動サービスづくりに活かすことで、場所や時間にとらわれない多様な働き方や「くらし」を実現したいと話しています。