【週間TOP5】栃木&群馬発 SLの元気な話題 「蒲蒲線」整備で都区合意 歓迎? あんまり?

先週「[WTM]鉄道・旅行ニュース」で最も読まれた記事をおさらい。2022年6月20日版の週間アクセスTOP5をカウントダウンします。

東急池上線(左2線)と東急多摩川線のターミナル駅である蒲田駅(Katsumi/TOKYO STUDIO)
東急池上線(左2線)と東急多摩川線のターミナル駅である蒲田駅(Katsumi/TOKYO STUDIO)

5位: C61&D51「SLぐんま」 群馬の夏を駆け巡る 鉄道体験イベント多数 水上駅転車台も必見

JR東日本は観光列車「SLぐんま みなかみ」「EL・SLぐんま よこかわ」の運行に合わせ、蒸気機関車D51形(デゴイチ)をけん引機に加えて群馬の夏を盛り上げます。

2022年7月22日(金)〜9月25日(日)の週末を中心に計21日間運転されます。ゴールデンウィークにも活躍したC61形(シロクイチ)は7月30日(土)まで引き続きけん引し、8月5日(金)運転分からは日本のSLの代名詞、D51形にバトンタッチします。

4位: 福岡・北九州エリア 通勤時間帯の特急充実 ダイヤ改正で「九州横断特急」運転区間短縮

JR九州は2022年9月23日(金・祝)にダイヤ改正を実施し、福岡・大分エリアの特急列車では利用状況に合わせて運転区間や運転時間帯、停車駅などを見直します。

通勤に便利な朝ラッシュ時間帯に、門司港駅始発の特急列車が新たに設定されます。福間駅・赤間駅に停車する特急列車の追加も行われます。鹿児島本線の快速・普通列車は輸送力が見直されるため、特急の充実で利便性が補完されるようです。

3位: 東武“SL大樹”3機体制に 「C11-123」運転開始へ 大手私鉄初の動態復元 3重連イベントも

東武鉄道は、2019年1月から進めていた蒸気機関車(SL)「C11形123号機」の復元作業を完了し、2022年7月18日(月・祝)から「SL大樹」での営業運転を開始します。

6月19日(日)にはツアー参加者限定の「SL大樹3重連イベント」が南栗橋車両管区で開催されました。令和の時代に、SL3機が連結走行する姿をで見られるとは感激です。SLを軸に日光・鬼怒川の観光振興を図る東武鉄道の意気込みそのものです。

2位: 新型ハイブリッドHC85系 7月から特急「ひだ」に 8月にも追加投入 記念キャンペーンも

JR東海は、新型車両「HC85系」が2022年7月1日(金)から高山本線の特急「ひだ」としてデビューすることに合わせ、記念の旅行や商品などを楽しめるキャンペーンを展開します。

HC85系は名古屋駅〜高山駅間で7月から2往復の「ひだ」に投入され、8月からは1往復の運用が追加されます。国内のハイブリッド方式鉄道車両として最速となる最高速度120km/hで営業運転を行います。今後は特急「南紀」にも導入の予定です。

1位: 「蒲蒲線」実現へ 都・大田区 費用負担で合意 東急・京急蒲田駅を結び空港アクセス向上

東京都と大田区は、計画中の鉄道路線「新空港線(蒲蒲線)」の第一期区間である矢口渡駅〜京急蒲田駅間の整備について、費用負担割合など事業化に向けた基本事項について合意しました。

「都市鉄道利便増進事業」への認定を前提とし、地方負担分を東京都と大田区が3:7の割合で支出することで合意しました。大田区が出資する第三セクターが事業主体となり、列車を運行する営業主体から施設使用料の支払いを受けて運営します。

鉄道の新線計画が大きく前進するという今回の合意発表。東急蒲田駅と京急蒲田駅間の約800mという、鉄道網の「ミッシングリンク」を埋める役割を担います。羽田空港アクセス改善の恩恵にあずかる人口は広範に及ぶと予想され、筆者としては歓迎したいニュースです。

一方で、新空港線の蒲田駅は地下駅となるため、JR線への乗り換えに必要な距離も時間も現行より延びるのは間違いありません。現行の東急多摩川線ユーザーなどでデメリットを受ける人がいるのは事実で、「本当に必要?」の声も聞こえています。調査や要望活動を長年行ってきた大田区としては耳が痛く、今後も丁寧な説明が必要なところではあります。しかしながら、鉄道新線の需要予測というのは得てして難しく、開通してみないとわからない部分もあるのかなというのが正直なところです。