東海道新幹線「半自動運転」 最上級座席も検討 JR東海が将来像公開 TOICA全線に拡大

JR東海は、ICTなどの最新技術を活用した鉄道の将来像を示し、効率化を図りながら安全性・利便性・快適性を向上させる各種取り組みを公開しました。

飯田線伊那本郷駅を通過するJR東海の在来専用軌道・電気総合試験車「ドクター東海」キヤ95系気動車(Katsumi/TOKYO STUDIO)
飯田線伊那本郷駅を通過するJR東海の在来専用軌道・電気総合試験車「ドクター東海」キヤ95系気動車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

新幹線ホーム柵は全駅に拡大

同社は、効率的な体制の構築により定常的なコストを単体で800億円削減する「業務改革」を10年から15年かけて推進しています。また、新しい発想により「収益の拡大」を実現することにも挑戦し、経営体力の再強化を目指しています。この取り組みの中で、最新の技術を積極的に取り入れて輸送サービスのあり方を抜本的に変革することを始めています。近年、大きく進化している「センシング」「画像認識」「ビッグデータの伝送・解析」「AI」「ロボット」などの技術を活用した主な取り組みが「鉄道の将来像」として紹介されました。

東海道新幹線では、すべての駅に可動柵を整備してホーム上の安全度を高めることと併せ、半自動運転機能(STO)を導入することで運転士の業務支援を図ります。発車操作は運転士が手動で行いますが、走行中の速度制御や停車の操作は自動化されます。この半自動運転は国土交通省が定める鉄道自動化レベル「GoA2」に相当し、国内では東京メトロ(丸ノ内線、南北線ほか)や首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)などに導入例があります。また、駅発着時のホーム上の安全確認やドアの開閉は運転士の担当とし、車掌は不慣れな乗客のサポートや巡回によるセキュリティ強化など、車内業務に注力します。

安全面の取り組みとしてそのほか、3両以上の在来線一部編成で車両側面にカメラが設置され、運転士が画像で安全確認できる仕組みが取り入れられます。ドア挟まれや転落等の検知に画像認識技術を活用するといった方策を検討しながら、3両以上の編成にもワンマン運転を導入していくとのことです。また、人手や目視に頼っていた検査や修繕にも、状態監視や画像認識を活かした診断が取り入れられ、結果入力のシステム化による信頼性や効率性の向上が図られます。社員はビッグデータ解析を活用した検証などに従事し、検査・修繕の質のさらなる改善に取り組んでいくとのことです(JR東海が目指す「鉄道の将来像」など詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】JR東海 最新技術を活用した鉄道の将来像を発表

在来線特急もチケットレス化

利便性向上策として、交通系ICカード「TOICA」の利用エリアを同社管内全線に順次拡大することが発表されました。また、スマートフォン等で指定席の予約や定期券の購入を行えるサービスを整備し、新幹線だけでなく在来線でも駅の窓口に立ち寄らずにチケットレス乗車できるようにします。出張や旅行により便利に出かけられる新サービスとして、新幹線とホテルや旅先での交通手段などをシームレスに予約・決済できる「EX-MaaS(仮称)」が2023年秋に開始します。併せて、新幹線とホテルや観光プランを自由に組み合わせられ、国内で初めて乗車直前まで列車変更ができるパッケージ型商品「EXダイナミックパッケージ(仮称)」も同時期に発売開始されます。

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駅ではテレビ電話の活用による遠隔サポートが広がります。「サポートつき指定席券売機」「集中旅客サービスシステム」の導入が拡大され、早朝や深夜などの時間帯でもきっぷを購入できる駅が拡大します。駅係員は対面での案内が必要な業務がメインとなり、利用実態に合わせて係員の配置が適正化されます。

多様なニーズに応じた高付加価値サービスとして、移動時間をより快適に過ごせる「グリーン車の上級クラス座席」や、ビジネス環境を一層高めた座席の設定が検討されます。詳細は決まり次第告知するとのことですが、JR東日本を中心に提供されている「グランクラス」のようなサービスが東海道新幹線でも開始する可能性があります。また、展開中の「EXPRESS WORK」「ビジネスブース」のように、乗車前後を通じたワークスペースの提供もさらに充実させるとのことです。加えて、新幹線車内でウェディングパーティーなどのイベントを開催できる団体向けの車両貸切サービスを提供し、新幹線の新しい使い方を提案していくとのことです。

JR東海はこれらのサービス変革により、「将来の労働力人口の減少にも対応するとともに、より安全で、より便利で、より快適なサービスを効率的に提供していく」とコメントしています。

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