JR北海道は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、札幌圏の有料定員制列車「ホームライナー」を全車指定席に変更するほか、富良野線の普通列車すべてを「H100形」電気式気動車に置き換えてサービスレベルを向上させます。
紙の指定券なら5倍に値上げ
平日朝の通勤時間帯、函館本線の手稲駅〜札幌駅間で運転されている「ホームライナー」は、ダイヤ改正後は3本すべてが毎日運転となります。また、先着順の定員制となっている乗車方式も変更となり、3月18日(土)乗車分から全車指定席の列車にリニューアルします。
これまでは乗車当日、始発の手稲駅に設置されている専用券売機で乗車整理券を購入する必要がありました。今後は快速「エアポート」の「uシート」などと同様、インターネット予約サービス「えきねっと」のシートマップなどを活用して事前に指定席を予約でき、駅で並ぶ必要がなくなります。指定席は乗車日1か月前から購入できます。
現在の乗車整理料金は一律100円で、席が空いていればグリーン車にも乗車できます。改正後の指定席料金は普通車指定席が530円(大人料金)、グリーン車指定席が780円で、破格とも言える現在の設定と比べると大幅な値上げとなります。
ただし、窓口や券売機できっぷを受け取らずにそのまま乗車できる「えきねっとチケットレス座席指定券」も通年で設定され、こちらなら普通車210円、グリーン車310円と割安です。JR北海道は、スムーズに乗車できて値上げ幅も抑えられるチケットレスでの利用を推奨しています(札幌圏「ホームライナー」の運転時刻と編成、ナイトゲーム開催時の北広島駅時刻表など詳細は下の図表を参照)。
日高線で駅廃止も
札幌圏輸送ではそのほか、「北海道ボールパークFビレッジ」(北広島市)の新球場「エスコンフィールド北海道」開業に合わせ、普通列車の編成両数を増強して野球観戦客の輸送力を高めます。ナイトゲーム開催時は帰宅客が集中するため、最寄りの千歳線北広島駅から臨時列車を運転できるよう、夜時間帯のダイヤが調整されます。
また、2021年3月ダイヤ改正において土休日の運転が取り止められていた札幌圏の快速・普通列車13本のうち、7本の列車が毎日運転に変更されます。特に、土休日に運転本数が減らされていた快速「エアポート」は平日と同じ本数に戻り、新千歳空港アクセスの利便性が改善します。
道内各地では、2020年から導入が始まったH100形電気式気動車の導入線区が富良野線に拡大します。キハ150形などで運転している38本すべてがH100形に統一され、ボタン式半自動ドア、英語対応の車内案内表示、車椅子対応洋式トイレなど設備の快適性が向上します。なお、先行投入された宗谷本線・石北本線などとは異なり、車両置き換えによる所要時間短縮などのダイヤ見直しは行われません。
JR北海道は経費節減のため、利用の少ない駅の見直しを毎年実施しています。駅廃止となるのは日高本線の浜田浦駅で、ダイヤ改正前日の2023年3月17日(金)をもって営業終了となります。釧網本線の細岡駅は4月25日〜11月30日のみの季節営業となります。また、留萌本線の石狩沼田駅〜留萌駅間の廃止に伴い、4月1日(土)から存続区間の列車時刻が見直される予定です。
続く5月20日(土)からは、室蘭本線に新型「737系」電車が投入され、キハ143形気動車がすべて置き換えられるほか、H100形による列車も一部を除いて電車化されます。所要時間短縮のほか、東室蘭駅や苫小牧駅で接続が改善するなど列車体系が大きく変わる計画となっており、詳細は決まり次第知らせるとのことです。