3人掛け席を広々と! 「S Work車両」に新シート 東海道・山陽新幹線のワーク環境が充実

JR東海とJR西日本は、東海道・山陽新幹線の車内で2021年10月から「S Work車両」などのビジネス環境を整備していますが、この取り組みをさらに強化し、一部サービスの有料化にも踏み切ります。

東海道・山陽新幹線の「S Work車両」に新たに設けられる「S Work Pシート」のイメージ(画像提供:JR東海)
東海道・山陽新幹線の「S Work車両」に新たに設けられる「S Work Pシート」のイメージ(画像提供:JR東海)

パーティションが付いて広さ1.5倍

現在、「のぞみ」の7号車は、モバイル端末などを使用して気兼ねなく仕事がしたい方向けの「S Work車両」として設定されています。新幹線のインターネット予約「EXサービス」(エクスプレス予約・スマートEX)専用商品として発売され、通常の普通車指定席と同じおねだんで利用できます。

このS Work車両ですが、サービス拡充のため今回初めてリニューアルされます。その目玉は、一部の3人掛け席の中央(B席)に新たに設置される半透明のパーティションで、その両隣(A・C席)が「S Work Pシート」と名付けられます。

B席は人が座れないパーティション専用席となるので、パーソナルスペースがこれまでの1.5倍に広がり、より快適にリモートワークを行えます。パーティションの脇にはドリンクホルダーが付属し、ちょっとした小物置きとしても活用できます。ノートパソコンなどの入力作業がしやすいよう、座席背面テーブルは、手前にスライドすると下向きに傾くタイプに改良されます。

S Work Pシートは1列車あたり10席の設定で、従来のS Work車両と同様にEXサービスで予約できますが、1,200円の追加額がかかる有料サービスである点が従来と異なります。運用は2023年10月20日(金)からで、10月18日(水)から予約受付が開始します。

また、これまでの「のぞみ」だけでなく、16両編成で運行する「ひかり」「こだま」(一部を除く)においても7号車がS Work車両に設定され、利用できる停車駅が拡大します。これに合わせ、車内外にS Work車両のロゴマークが新たに掲出され、対象車両であることがわかりやすくなります。

S Work車両ではそのほか、席を倒したときに背面テーブル上のモバイル端末と干渉しないよう、全座席のリクライニング可動域がこれまでより小さくなるよう調整されます。また、2024年度春からは発売方法が拡大し、EXサービス以外に駅の窓口や券売機、JR西日本ネット予約「e5489」でもS Work車両を指定して購入できるようになる予定です。

なお、東海道区間のN700S編成では、S Work車両内でビジネスサポートツールの貸し出しが行われてきましたが、2023年10月19日(木)をもってこのサービスは終了します。また、S Work車両リニューアルに合わせ、山陽区間で利用した方を対象としたキャンペーンが2023年10月頃に実施される予定です(「S Work車両」の座席配置、「S Work Pシート」「ビジネスブース」の料金など詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】「S Work車両」の座席配置、「S Work Pシート」「ビジネスブース」の料金

N700S全編成に「ビジネスブース」本格導入

一方、東海道・山陽新幹線を走行する一部のN700S編成では、2022年5月から7・8号車間のデッキ部に「ビジネスブース」が試験導入されています。S Work車両を利用している2名までのグループが入室できる予約制の小ブースで、周囲を気にすることなく短時間の打ち合わせやWeb会議などに活用することができます。

このビジネスブースは2023年10月1日(日)以降、すべてのN700S編成に整備されることが決まりました。利用状況や改善点を調査するために試験導入中は無料で利用できましたが、本格導入に合わせて有料サービスへと切り替わります。例えば、30分間利用した場合の料金は600円で、利用開始時にクレジットカードから決済されます。

本格導入に合わせ、スマートフォンの急速充電が可能なUSBポートが新たに設置されるなど利便性向上が図られます。ブース入口には予約システムと連動した電気錠が備え付けられ、表示灯により予約・使用状況がひと目でわかるようになります。ブースの予約画面も改良され、これまでの順番だけでなく、利用可能となる予想時刻の表示も追加されます。

なお、ビジネスブースをすでに導入している3編成については未改良のまま有料化されますが、後日、他の編成と同様の改良を施すとのことです。

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