世界的な半導体不足によりICカードの供給不安定が発生している影響で、首都圏や東日本エリアでは交通系ICカード「Suica」「PASMO」の大半が発売中止となる事態が起きています。
“無記名”に加えて“記名式”も発売中止
世界情勢の変化や新型コロナウイルス禍など、複合的な要因によって引き起こされたと言われる半導体不足。自動車や電子機器だけでなく、身近な交通系ICカードの製造にも影響が及んでいます。
「Suica」や「PASMO」のカードには、ソニーが最初に開発した「Felica」技術を応用したICチップが搭載されています。現在、カード製造メーカーで必要なチップの入手が困難になっており、交通事業者は当面、十分な数量のカードを確保できる見込みが立てられない状況とのことです。
JR東日本のほか、首都圏の私鉄・地下鉄などで構成するPASMO協議会が最初に対策を行ったのは2023年6月8日(木)で、購入時に個人情報の登録が不要な“無記名”のSuica・PASMOの新規発売がこの日から一時中止されました。東京モノレールが発行する「モノレールSuica」、東京臨海高速鉄道の「りんかいSuica」も同様に無記名でのカード発売が中止となっています。
さらに8月2日(水)からは、氏名や電話番号などを登録して購入する“記名式”の各SuicaとPASMOについても発売中止の対象に加わりました。各事業者はメーカーとの協議を続けているものの、現時点でもカード製造計画が不透明な状況にあるそうです。
なお、Suica・PASMO定期券や小児用カード、障害者用カードの新規発売と、カード障害や紛失時の再発行サービスについては継続されます。確保したカード在庫をこれらのサービスに優先的に充当する必要があることから、やむなく追加措置が取られた格好です。
(新たに発売を中止する「Suica」「PASMO」カード、発売を継続するカードの種類など詳細は下の図表を参照)
カード製造とは無縁 “モバイル”に乗り換えを…
すでにお持ちのSuica・PASMOカードについては、鉄道・バスの乗車、電子マネー加盟店での買い物に通常通り利用できます。また、スマートフォンサービス「モバイルSuica」「モバイルのPASMO」はカード発行を伴わないので、今回の半導体不足の影響とは無縁です。各交通事業者はお手持ちのカードを継続利用してもらうほか、新規で購入したい場合はモバイルを選ぶよう呼びかけています。
PASMO協議会は、「Apple PayのPASMO」の利用で「最大2,000円分もらえるキャンペーン」を展開していますが、この対象期間を延長して利用促進を図ります。
なお、エリア拡大により5月27日(土)からSuicaが利用可能となった青森・盛岡・秋田の各エリア内では、サービス開始から間もないことから例外的に無記名・記名式のSuicaカードを引き続き購入できます。また、無記名のPASMOカードのうち、一部事業者が発行している「PASMO企画乗車券」「バスの持参人式PASMO定期券」などについても継続して購入可能となっています。
短期間のインバウンド旅行者向けICカード「Welcome Suica」「PASMO PASSPORT」も発売を継続しています。ただし、Welcome Suicaは在庫状況を勘案し、8月2日(水)から発売箇所が成田空港・羽田空港の各駅にある「駅たびコンシェルジュ」と専用券売機のみに縮小されました。購入できる枚数もお一人1枚に制限されています。
一方、サンリオキャラクターが券面に描かれたPASMO PASSPORTについては今のところ在庫に余裕があり、引き続き成田空港、羽田空港や首都圏の主要駅で発売されます。海外からの観光客に積極的に選んでもらえるよう、6月8日(木)からは500円の発行手数料を無料とするキャンペーンが期間限定で展開されています。
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