JR北海道は2021年度の年末年始期間、北海道新幹線の青函トンネル内で時速210kmによる高速走行を実施します。
貨物列車と新幹線が線路を共用する約54kmの青函トンネル区間では、すれ違い時の影響が考慮され新幹線の速度は現在、時速160kmに制限されています。年末年始は貨物列車の運転本数が少ないことから、それぞれの列車が走行する時間帯を分ける「時間帯区分方式」が導入されます。これにより、始発から15:30頃までに同区間を走行する新幹線の速度が時速210kmに引き上げられます。
2021年12月31日(金)〜2022年1月4日(火)の5日間実施されます。高速走行の対象列車は上下各7本の定期列車で、東京駅〜新函館北斗駅間の所要時間は現行より3分短縮され、最速3時間54分で結ばれます。なお、木古内駅に停車する下り「はやて93号」「はやぶさ1号」「はやぶさ19号」については、木古内駅の発車時刻が繰り上がるので注意が必要です。また、新青森駅始発の「はやて91号」については、乗り遅れなどの影響を少しでも軽減するため新青森駅の発車時刻が3分繰り下げられ、木古内駅の発車時刻は変更されません。
期間中は函館駅までの所要時間短縮のため、高速走行する新幹線に接続する一部の在来線「はこだてライナー」でも時刻変更が行われます。新函館北斗駅発・函館駅行の列車は4本が1〜3分の繰り上げとなり、函館駅発・新函館北斗駅行の列車では7本が1〜3分繰り下げられます(主な駅の運転時刻は下表を参照)。また、この影響で函館駅行の普通列車1本の時刻が繰り下げられます。
国土交通省は、北海道新幹線の設計上の最高速度である時速260km走行を青函トンネル内でも実現するため、技術的な取り組みを続けています。時間帯区分方式による時速210km走行は2020年末に営業運転で初めて実施され、今回は4回目となります。今後は時速260kmへの速度向上を目指すとともに、時間帯区分方式の段階的な拡大の可能性についても検討を進めるとしています。