JR四国は、2021年3月13日(土)に実施するダイヤ改正において、土讃線特急への新型車両導入、パターンダイヤの導入、最終列車の時刻繰り上げなどを行うことを発表しました。
新型特急車両2700系を積極投入
全席コンセントや無料Wi-Fiを装備した新型車両2700系が土讃線の特急列車に積極的に導入されます。岡山駅〜高知駅間を運行する特急「南風」は新たに10本が2700系車両での運転となり、高松駅〜高知駅(一部は中村駅・宿毛駅)間の特急「しまんと」は新たに6本が2700系に置き換わります。これにより、「南風」(28本)と「しまんと」(10本)はすべて2700系で運転されるようになります。
また、土佐くろしお鉄道中村・宿毛線に乗り入れる高知駅〜中村駅・宿毛駅間の特急「あしずり」については、2本に新たに2700系車両が導入され、2700系で運転される列車の本数は全16本中6本となります。
特急列車ではそのほか、岡山駅発(20:05)・高知駅行特急「南風25号」と、高松駅発(20:28)・高知駅行特急「しまんと9号」(多度津駅で併結、高知駅着22:51)は、高知駅で須崎駅行の普通列車に乗り継げるようになります(現行の接続は伊野駅行)。これにより、須崎方面へ移動する際の岡山・高松での滞在可能時間が約1時間増えます。
また、松山駅を6:44に出発する特急「宇和海3号」の発車時刻が3分繰り下がり6:47発となります。終着の宇和島駅到着は8:13のまま変更ありません。
普通列車のダイヤをパターン化して乗りやすく
2021年3月ダイヤ改正では、都市圏の普通列車が強化されます。土讃線では、後免駅発(13:43)・高知駅行の普通列車1本が増発されるとともに、土佐山田駅〜高知駅間を9〜15時台に運転する普通列車の時刻がおおむね統一されます。増発される普通列車は、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の列車から後免駅で乗り換えることができるので、安芸方面から高知方面への移動も便利になります。
徳島線では、徳島駅〜阿波川島駅間を運転する普通列車が一気に8本(上下各4本)増発され、徳島駅〜穴吹駅間を9〜17時台に運転する普通列車の時刻がパターン化されます。しかしながら、JR四国は明言していないものの、発表されている時刻表イメージを見る限り、徳島線の昼間時間帯において特急列車が上下各1本、阿波川島駅以西の普通列車が上下各2本程度減少していることが確認できます。徳島線全体の経営資源を、乗客数の見込める徳島駅〜阿波川島駅間に集中させる施策と言えそうです。
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